インプラントの治療期間はどのくらい?治療前の相談から治療後の通院期間まで
2024/10/18インプラント治療は、失ってしまった歯の代わりとなる人工歯根をあごの骨に埋め込む治療法です。自然な歯に近い機能と見た目を回復できるため、多くの患者様から選ばれています。
治療の流れは、大きく分けて以下のステップに分かれます。それぞれのステップにかかる期間は、患者様の口腔内の状態や、インプラントの本数などによって異なります。 ここでは、インプラント治療の各ステップと、それぞれの期間について解説します。
1、初診から診断・治療計画の立案まで
初診時にカウンセリングを行います。患者さんの全身状態、現在の治療中の疾患、口腔内の状態を詳しく診察し、インプラント治療が適応できるかどうかについて検討します。
次に検査・診断を行います。パノラマX線、CT撮影などを行い、あごの骨の状態、歯周組織の状態などを詳しく調べます。それらを元に、どの部位にインプラントを入れるかという治療計画を立て、患者さんに説明します。この時は、治療期間の目安、費用の概算を聞いて、書面でもらっておきましょう。 ここまでで約1週間~2週間程度です。
2、手術から仮歯装着までにかかる期間
1)一次手術:インプラント埋入
インプラント埋入に先立って、骨の高さ、幅が不足している場合は、先立って骨を作る処置を行います。 この骨ができる期間として3−6か月かかります。
骨の幅と高さの問題がクリアできれば、インプラント埋入(一次手術)を行います。あごの骨に専用の器具でドリリングし、インプラント体を埋め込みます。局所麻酔下で行うことが多いのですが、歯科治療が怖いと思われる方は静脈鎮静を併用したり、全身麻酔下に行う場合もあります。 手術時間の目安は1本あたり30分~1時間です。
埋入治療後、インプラントと骨が結合する期間として2週間~3か月経過観察します。
2)二次手術:アバットメントの装着
この手術は、歯肉を切開し、インプラント体の上にアバットメントと呼ばれる土台を装着する処置です。 処置の時間は30分~1時間程度です。 歯肉が落ち着く1―2週間ほど待ってから、
3)仮歯の装着
仮歯をアバットメントに装着し、最終的な歯の高さや形を決めます。感覚に慣れ、最終的な形が決まれば、最終補綴物を製作します。4)最終的な人工歯の装着
作成された人工歯をアバットメントに装着します。3、インプラント治療中に歯がない期間はあるのか?
インプラントの一時手術を行い、インプラントが骨をしっかり癒合するまでの間は、歯がありません。 しかし、前歯の部分でインプラント治療が必要な場合、歯がない期間があると、人と会う時に非常に困ります。 もし、歯がない部分が1本分で、両隣の歯があれば、歯の頭だけの部分を接着剤で取り付けることができます。 数本歯がない場合、インプラントの歯が入るまでの間は入れ歯を一時的使うことも1案です。
4、仮歯があることのメリットと注意点
仮歯のメリットは、大きく3つあります。
1つは、歯が無い状態を回避できることです。何か歯が入っている状態ですので、見た目が良くなり、会話でも息漏れが減ります。 2つ目は、最終的な形を決める参考になることです。歯ぎしり、食いしばりのある方では、それを考慮した歯の形にする必要があります。仮歯は形の修正が可能ですので、最終的な形態を検討する時間にできます。 3つ目は、最終的な被せ物に慣れる準備期間になることです。いきなり最終的な歯が入るのではなく、まずは新たな歯に慣れておく、これはメリットになります。
5、治療後のメンテナンスが重要な理由
インプラント埋入後もメンテナンスが重要です。3か月おきのメンテが多いようですが、日々のケアの状況によって前後します。
1つ目はインプラント周囲炎の予防です。
インプラント周囲炎とは、インプラントの周囲に炎症が起こる状態です。歯周病と同様に、歯垢や磨き残しが原因で発生し、進行するとインプラントを支える骨が溶けてしまい、最終的にはインプラントが抜け落ちてしまう可能性があります。 歯科医院での定期的なプロフェッショナル・ケアと、ご自宅での丁寧な歯磨きなど口腔ケアによって、インプラント周囲炎を予防することができます。
2、噛み合わせの調整が必要です。
インプラント治療後はお口全体の噛み合わせが変化することがあります。噛み合わせが悪い状態が続くと、インプラントと噛み合う歯に過度の負担がかかり、歯周病の原因となる危険性があります。 インプラントを入れた後も定期検診で噛み合わせの状態をチェックし、必要に応じて調整することで、快適なお口の機能を維持しましょう。
6、治療期間を短縮するためにできること
治療期間はできるだけ短く、早く歯を入れたいところです。インプラントを多数入れる場合は、できるだけまとめて治療を進めていくこと治療開始から、最終的に歯が入るまで、というトータルの期間で考えてみてください。
しかし、インプラントを埋入してから骨と癒合するまでの時間は必要ですし、どうしても短縮できない期間もあります。また、このような「待つ」期間も歯科医師の指示通りにチェックを受け、術後感染などが無い、もしくは未然に防ぐことが一番治療期間が短くて済む王道といえます。
まとめ
インプラント治療は、骨を作り、埋入し、最終的な歯が入るまで、数ヶ月からほぼ1年くらいかかることもあります。しっかりと歯科医師と相談して、治療ステップを1つ1つ着実に進めることが重要です。
詳細に不明点や気になる事があれば、お気軽に当院にお問い合わせください。
高道歯科医院
TEL: 045-833-3178
HP(インプラント専用ページ):https://takamichi-dental.work/
監修者プロフィール
医療法人光巨会 高道歯科医院
院長紹介 高道 麻臣(たかみち まおみ)
- 平成4年
- 神奈川歯科大学 卒業
- 平成4年
- 神奈川歯科大学総合診療科 入局
- 平成4年
- 国立横須賀病院歯科室勤務
- 平成6年
- 国立横須賀病院歯科室 退局
- 平成6年
- 高道歯科医院 勤務
日本顎咬合学会 噛み合わせ認定医
スポーツ歯学学会 会員
歯学博士
カムログインプラント公認インストラクター